5700系は昭和60年にデビューした優等列車用の2扉転換クロスシート車。5300系は外見こそ5700系と同一だが、5000系・5200系の機器を一部流用した新古車形式である。
昭和の名鉄の特徴である2扉クロスシート、そして前面の大型窓から当時の名鉄のキャッチフレーズともいうべく”パノラマ”の息のかかった車両であることが伺える。登場後しばらくの間は”高速(現在の一般車特急)”として第一線で活躍したものの、平成になり1200系や3500系が登場し始めると、徐々に脇役に転じてしまい、私がカメラに収めようとした2008年頃にはすっかり本線・支線のローカル運用ばかりとなってしまった。そのような経緯からか私の中では悲運の形式との印象が強かったが、数年前に昼間時間帯限定ではあるものの名古屋ー内海間の全車一般車特急としての運用が登場したようで、そのニュースを耳にしたときは不思議と嬉しかったことを憶えている。私の中で優等列車用の車両は優等列車として運用すべきとの固定概念があるからだ。
5700系は純粋に新型車両ではあったもののM車がすべて中間車であることから、音鉄かぶりつきの好きな私にとっては岐阜方先頭車にM車のある5300系の方がホームに入ってきたときの喜びはひとしおであった。
近年(2016年)では首都圏でも着席サービスが見直されているため、この車両でももう一度、優等列車としての2扉転換クロスシート車の活躍が見たいと願うばかりだ。

名古屋本線 本星崎駅付近 2008年7月
朝ラッシュ4+4の8連運用。しかし種別が回送‥(泣。
スカートがついていたら違った印象になっていたかもね。


名古屋本線 本笠寺駅 2008年7月
2扉+連続窓の美しい側面。

名古屋本線 本笠寺駅 2008年7月
スピード感のある前面傾斜。

犬山駅 2008年11月
広見線のローカル運用。
この時期の名鉄電車では黄緑色の標識灯が流行っていたような。

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