昭和34年に登場した日本初の大衆冷房車。2扉転換クロスシート車で昭和期は特急、急行で活躍し、平成に入ってからも各線の急行、普通で大活躍していました。日本初の試みの多い名鉄ではありますが、冷房化率の100%達成がだいぶ後年にずれ込んだところなんかが名鉄らしさでもあります。
抵抗制御で最高速度は時速110km/hと当時の登場車輌の中では高性能の持ち主で、4両編成と2両編成が各5本ずつ計30両ありましたが、2003年までに2両編成3本がリバイバルカラー車となって残るのみとなりました。今思うとパノラマカーと5500系は引退間近のイベントも多く、それだけ引退を惜しむ声も多かったのではないかと推察されます。
惜しまれつつも2005年1月29日を以って全車廃車となっています。
画像提供 松の木さん
GM(GREENMAX)製キットを組んだものです。このキットは、他に富山地方鉄道や長野電鉄の車両も作ることが可能で、そのためか同じ1/150でもTOMIXパノラマカーなどと比べて若干車幅が広く、連結すると不格好になります。中間車を作る際は切り継ぎを行い、戸袋窓をやや小さくする必要があります。
なにはともあれ、名鉄車両がキット化されているのはうれしいことで現在4両編成が1本、2両編成が1本を製作しています。当時のエコノミーキットは、手頃な値段設定の割にジャンパ栓やエアーホース類のパーツもプラパーツで再現されており、よくまとまった仕上がりになっていたと感じます。今はどのパーツもオプション化されてしまい、グレードアップするにも何かとコストがかかるので悩ましいです。
5506(1次車) 豊橋側先頭車 動力車
2両編成で走行可とするため先頭車を動力車としています。旧型の黒動力ですが、こちらは当たり動力だったので換装せず使用しています。
5555(1次車)
5556(1次車) 岐阜側先頭車
5505(1次車) 豊橋側先頭車
5520(2次車) 岐阜側先頭車
5519(2次車) 豊橋側先頭車
向かって右の5520は、TOMIXのTNカプラーを使用しました。カプラーの取り付けには若干加工が必要で、前面パーツの内側を削ってうまくはめ込んでいます。
詳しくは「模型製作集」の方を参照してください。
ステッカーはGMの「急行岐阜」にしました。実車の廃車されてしまいましたので平成6年あたりの時代設定です。
今回は乗務員扉のサッシと手すりをシルバーで色差ししてみました。実車は赤のままでしたっけ??
これはサッシの色差し時に手すりもシルバー化してしまうという私のポカです…。
アンテナはTOMIXのJA-06、アンテナ台座はキットに付属しているものです。登場時を再現するようでしたらアンテナは不要です。
クーラーは1次車仕様なら1両につき7個、2次車仕様なら8個を配置します。写真は奥が1次車、手前が2次車となっています。
キットの説明書ではプラ板を7ミリ×9ミリに切り台座を作ると良いと書かれていますが、7ミリ×7ミリの方が実車に近いと思います。…というより、そのようにしないと8個配置は屋根上スペース的に難しいと思われます。
パンタまわり。パンタはGMのPT42、屋根はグレー、クーラーはシルバー、配管はエナメル塗料のシルバーを使用しました。塗りわけをすると車輌が引き立ちます。
欲を言えばパンタ台が欲しいです。あとパンタはグレー系の艶消し色で塗装した方が締まった感じになるかと思います。
側面。扉閉確認灯をクリアーブラックで色差し、乗降扉のシルバーラインは西武鉄道用ドアデカールを細く切って貼り付けました。
真っ赤なボディなので細部のワンポイントが良いアクセントとなります。
キットの幌を削り、KATO製の大きめの幌(Z06-0561)を使用しました。幌の高さには若干違いがありますが、キットそのままよりは雰囲気が出ます。
妻面貫通扉はホワイトにブラックの色差しをし、カプラーは実車と異なりますがKATOのジャンパ管付きの密連型を使用しています。
実車は黄緑だったような気も…。
連結面。
実車のように広めにとりました。
先頭車同士の連結です。両編成とも片側のみTOMIXのTNカプラーを装着しています。
GM特有の腰高を改善するために、車体と台車間を縮めています。
両先頭車の手すり位置がズレていますがご愛嬌です。真鍮線で再現してもよかったのかもしれませんが、全体的なバランスを考慮するとキット付属のプラパーツで再現するのが一番な気がします。
エアーホース、ジャンパ栓はキット付属のプラパーツです。赤、白、緑の塗りわけは手間が掛からない割に精密感を出せます。
ライトはシルバー、クリアブラックを使用、Hゴムは黒で色差し。すべてエナメル塗料です。
エナメル塗料はアクリル塗料よりも強度が弱いと言われていますが、10年以上経過するとすっかり固着してしまっているようで、あまり強度は気になりません。

GM(GREENMAX)製キットを初めて組み立てた時の作品をコレクションに追加しました。実は上記で紹介した車両は2作目なのです。1作目は塗装面も粗く、光沢で仕上げたため阪急電車並みのツヤツヤな車体となっていますが、それなりに満足できる部分もあったことや模型製作の楽しさを教えてくれた車両なので、ジャンク扱いから正規品扱いに格上げしました。当時も中間車を同様に製作したのですが、こちらはさすがに切り継ぎ箇所が丸わかりで車体長もチグハグな仕上がりとなってしまっていたので、インレタ貼りや塗装の練習材料として活用しようと思います。
また、同キットから5200系を製作しようと作業途中のまま放置されていたものがあったのですが、床下だけはダークグレー塗装で完成していたので、それと換装し雰囲気を変えてみました。その他の加工は上記と同じです。
5514
2次車ですがクーラーが7個になっていますね…。車番は後付けなので、気にせず車番選択したっぽいです。
5513
サボは岩橋商会の旧型車用デカールかと推察されます。デカールなので厚みもなく、文字がくっきりしていて気に入っています。
両先頭車ともTNカプラーを装備していますが小型化するため両端を削っているので連結器の安定感に些か難ありです。
5500系はシックにダークグレーで仕上げた方が雰囲気出ると思います。ただ、TNカプラーがねずみ1号に近い色見をしているので、統一性を重視するのであれば同色を選択した方がよいのかと思います。
乗務員扉の幻のシルバーは、エナメル溶剤で落としモンザレッドを筆塗り補修しました。上記6両も同様に修正済みです。
ドアガイドレールのデカールは、もう少し細めでもよいのですが、細すぎると水に浸して貼り付けるまでに切れてしまい作業難易度がぐっと上がります。
よって、このくらいの太さが落としどころなのかな…と思います。窓サッシが元々太めなので、それらとのバランスを考慮するとこのくらいの太さでも問題ないと感じます。

inserted by FC2 system