車庫や駅といった情景は、直線を多く取り入れる部分になるため、比較的、製作に取り掛かりやすいモジュールではないでしょうか。複数の線路にたくさんの電車が並ぶ姿は鉄道ファンにとっては大変魅力的です。そんなことから、モジュール製作の第一号作品がこの車庫モジュールになりました。

まずはじめにレールの配線を決めてしまい、ストラクチャーの配置は製作の途中で順次決めていきます。

車庫モジュール製作での一番のこだわりは、なんといってもレール幅につきます。
当初、ストレートレールはTOMIXの既製品を使用し、架線柱も同社から製品化されている鉄骨型架線柱が私鉄の情景を再現するには最適だと思っていました。ですが、TOMIX製品には思いがけぬ落とし穴があります。
鉄道模型では、カーブなどでの電車のすれ違い時に車輌同士が当たらないようにと、レール中心間距離が広くとってあるからです。
現実の名鉄はレール中心間距離が3m35cm〜3m60cm(鉄道ピクトリアル参照)なので、これを1/150スケールに直すと2.23cm〜2.4cmということになりますが、
架線柱はレール幅に合わせて作られているため、TOMIXの架線柱を使うならレール中心間距離を3.7cmとらなければなりません。KATOやGMの架線柱は3.3cm、どのメーカーのものを使用しても幅広になります。
そんな問題を抱えたまま、車庫モジュールの製作は始まるのでした。

1.レールの敷設
パネルには、TOMIXのコンビネーションボードAを用います。
同社のレイアウトボードは何枚も結合できるようにボルトとナットが付属していますが、コンビネーションボードにはないようです。
わざわざパネルに穴を開け、ボルトとナットで2枚を固定しました。
名鉄製品で車体幅が最も大きい5500系を合わせたところです。
TOMIXの架線柱はレール中心線間距離が3.7mmになるため、車輌間が開きすぎてしまうのがわかります。
GMの架線柱はレール中心線間距離が3.3mmになっています。
KATOのものも同じく3.3mm。
これでも実車に比べるとゆとりがありすぎますが、ひとまずGM製品を用いることにしました。

JR仕様にしてもレール中心間距離は2.6mmですので、実車では考えられない程のゆとり配線です。
レール間は前述の通り33mmで固定しています。将来的に、もう2線増線できるようにボードの手前に取り付けました。
レール側面はタミヤのフラットアースやクレオスのレッドブラウンで塗装するのが一般的です。
写真では筆塗りにて再現していますが、後々バラストにも塗装を加えるならば、バラスト散布後にエアーブラシで再現する方がきれいに仕上がげることができます。
今回は後続の作業でエラーブラシ塗装をしましたので、筆塗り塗装は意味をなさない結果となりました・・。
左から中性洗剤を加えた水、
木工用ボンドを溶いた水、木工用ボンドです。
手前はバラスト散布時に使う筆。

バラストをレールに均一に撒き、筆で整えます。
その後、中性洗剤を加えた水でバラストを湿らせ、木工用ボンドを溶いた水をスポイトを用い、レールに垂らしていきます。
バラストはTOMIXのシーナリーバラストを使用しました。
写真はグレーとブラウンを1:2で混ぜたもの(本当はライトグレーが良かったのですが品切れで・・)。
TOMIXのものはKATOのものと比べると粒が大きめですので実車と比較するとスケールオーバーになってしまいますが、石の雰囲気を出すには効果的です。
線路に散布し、固定しました。
固まるまで時間が掛かるので、1〜2日放置します。

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